2015年10月8日木曜日

秋の味~柿

柿には「甘柿」と「渋柿」がありますが、
これらの違いは渋み成分「タンニン」が口の中で溶けるかどうかできまります。
溶けると渋くなり、溶けなければ甘くなります。
幼果期はどちらも渋みが溶ける「可溶性」タンニンを含みますが、
甘柿は成長過程でタンニンが「不溶性」に変化して口の中で溶けなくなり、
渋みを感じなくなるのです。
渋柿が甘くなるのは、アルコールや炭酸ガスを使って処理することで、
タンニンを可溶性から不溶性に変化させているからです。
なお干し柿にすると、渋みは自然に抜けます。
氷河期が終わった後に中国から渡来したと考えられています
(その中国の柿が日本から渡って再び帰って来たものかどうかはわかりませんが)。
縄文、弥生時代の遺跡から種が出土し、
時代が新しくなるほどその量は増えているそうです。
また、今のように大きな柿は奈良時代にやはり中国から渡来したと考えられています。
中国では約3000年前から柿があったそうで、
紀元前2世紀頃の王家の墓から多数の柿の種が出土しています。
その頃は干柿で保存していたようで、
人間の知恵ってすばらしいと思わずにはいられません。
 柿の成分で特筆できるのは、何といってもビタミンC!
酸っぱいイメージのビタミンCとはちょっと意外かもしれませんが、
甘柿に含まれているビタミンCはレモンやイチゴに決して負けてはいないのです。
ほかにも、ビタミンK、B1、B2、カロチン、タンニン(渋味の原因)、
ミネラルなどを多く含んでいるため、
「柿が赤くなれば、医者が青くなる」という言葉があるほど、
柿の栄養価は高いのです。
また、「二日酔いには柿」といわれている訳は、
ビタミンCとタンニンが血液中のアルコール分を外へ排出してくれるからで、
豊富なカリウムの利尿作用のおかげともいわれています。

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